第八回 【肩凝りって何故起こる? part3】
こんにちは、中川です。
肩こりについて、前回治癒機序を引き起こすことがポイントと書きましたがそのご説明をします。
一番分かりやすいのが肩こりにより血流が阻害された筋に対して鍼を打った際の身体の反応ですので、
こちらからご紹介します。
鍼が刺入された時の身体の反応としてフレア現象というものがあります。
これは鍼を刺入した周囲がほんのり赤くなる反応のことなのですが、これは体表だけに起きている反応ではなく
軸索反射という体内の血液循環を促進させる反応の一部が体表面に現れているのです。
この軸索反射ではサブスタンスPとCGRPという化学物質が遊離されます。
ざっくりと説明しますと、サブスタンスPは11個のアミノ酸からなる神経ペプチドで血管透過性に働きかけます。
またCGRPは知覚神経の終末および遠位端に存在しているアミノ酸37個からなるペプチドで血管の拡張を促します。
これらの反応を利用し凝り固まって血行不良となった箇所の血流を改善させることができるのです。
しかも鍼の場合狙う場所とその深さまで調節できるので深部筋へのアプローチとしてかなりのスグレものと言えます(^^)
古来より経穴と呼ばれてきた箇所にはサブスタンスPやCGRPを遊離する神経末端や血管が密になっており、
これらの箇所を狙うことにより少ない侵襲で最大の効果を引き起こせることが容易に想像できます。
当院でもおこなっているトリガーポイント鍼療法でもこの血管透過性と血管拡張を引き起こすべく刺激を与えます。
こちらの場合は経穴ではなく索状硬結部位に対して鍼刺激を与えるため、
局所単収縮反応や自律神経反応が起こるので単に経穴を狙った場合と比べやや刺激の印象は変わりますが
局所の血流を改善させるという結果としては同じ部分を共有しています。
血流による肩こりへのアプローチは以上の説明になります、次回は深部受容器というものと肩こりの関係について説明していきます。