なぜ全身が痛くなるのか? ~アナフィラキシー後の全身痛と脳の危険学習~|中野富士見町の整骨院 富士見町fine整骨院 はり灸マッサージ院

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なぜ全身が痛くなるのか? ~アナフィラキシー後の全身痛と脳の危険学習~

「先生、とにかく全身が痛いんです」

以前来院された患者さんの言葉です。

腰が痛いわけでもない。

肩が痛いわけでもない。

膝が痛いわけでもない。

とにかく全身が痛い。

整形外科的に見ても明確な異常はなく、どこを動かしても痛いような状態でした。

詳しくお話を伺うと、数か月前にロキソニンによるアナフィラキシーを起こしたとのことでした。

担当医からはロキソニンが原因と説明を受け、その後は鎮痛薬も使用できなくなっていました。

アナフィラキシーの後に起きた全身痛

アナフィラキシーは単なるアレルギーではありません。

身体から見れば生命の危機です。

発作時にはヒスタミンやサイトカインなどの炎症物質が大量に放出され、自律神経系も大きく乱れます。

近年、アメリカの医師ニール・ネイサンは、

「強い生体ストレスが脳の辺縁系を過敏化させる」

という考え方を提唱しています。

Treating Sensitive Mold Sick Patients

彼は主にカビ毒素(マイコトキシン)による慢性疾患を扱っていますが、その理論の本質はカビそのものではありません。

脳が危険を学習してしまうことです。

本来なら解除されるはずの警報システムが解除されず、

「まだ危険だ」

と誤認し続けてしまう状態です。

すると、

・匂いに過敏になる

・音に過敏になる

・疲れやすくなる

・全身が痛くなる

といった症状が現れることがあります。

本当に全身が悪いのか?

ここで重要なのは、

「全身が痛い=全身が壊れている」

とは限らないということです。

例えば火災報知器が故障すると、実際に火事がなくても警報は鳴ります。

脳や神経系も同じです。

身体のどこかから異常信号が送り続けられると、警報システムそのものが過敏になることがあります。

すると軽微な刺激でも大きな痛みとして認識されるようになります。

近年ではこれを「中枢性感作」と呼びます。

慢性腰痛や線維筋痛症などでも注目されている考え方です。

私が着目したのは「脾胃」だった

東洋医学では脾胃という概念があります。

単純に胃だけを指すわけではありませんが、消化吸収やエネルギー代謝に深く関わる領域です。

この患者さんを診た時、脈診では脾の反応が非常に強く出ていました。

患者さん自身は胃痛を訴えていませんでした。

しかし、

・アナフィラキシー後であること

・脈の状態

・全身症状の広がり方

から、

「消化器系を中心とした慢性的な炎症状態が続いているのではないか」

と考えました。

そこで全身の調整に加え、脾胃を鎮静化することを目的とした鍼治療を行いました。

結果は2回でほぼ消失

驚いたことに、2回の治療で全身痛はほぼ消失しました。

もし全身の筋肉や関節そのものが壊れていたのであれば、この変化は説明が難しいと思います。

一方で、

「神経系の警報システムが過敏になっていた」

と考えると説明がつきます。

アナフィラキシーという強烈な免疫反応。

その後に続く慢性的な炎症。

そして脳や自律神経系の過敏化。

鍼治療によってその状態が解除された結果として、全身痛が改善した可能性があります。

痛みは必ずしも痛い場所に原因があるわけではない

私は普段から、

「症状がある場所と原因がある場所は違う」

という考え方で患者さんを診ています。

手首が痛いからといって手首が原因とは限らない。

腰が痛いからといって腰が原因とは限らない。

そして今回の症例では、

全身が痛いからといって全身が原因だったわけでもありませんでした。

現代医学では神経系の過敏化。

東洋医学では脾胃の失調。

言葉は違いますが、どちらも身体全体の制御システムに着目している点では共通しています。

局所だけを見るのではなく、

「なぜ身体が危険信号を出し続けているのか?」

を考えること。

それが慢性症状を改善する大きなヒントになるのではないかと思います。

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