坐骨神経痛が治らない本当の理由 ― 神経ではなく「支える力」を失った身体|中野富士見町の整骨院 富士見町fine整骨院 はり灸マッサージ院

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坐骨神経痛が治らない本当の理由 ― 神経ではなく「支える力」を失った身体


先日、70代男性の患者さんを施術しました。

症状は左大腿下部から下腿上部にかけての坐骨神経痛。

整形外科では腰椎ヘルニアと診断されています。

しかし実際に身体を観察すると、少し違和感がありました。

一般的な坐骨神経痛でよく見られるような、

・腰から殿部への連続した痛み
・前屈や神経伸張での増悪
・SLRテストでの再現

がほとんど見られないのです。

むしろ座っている時は症状がほとんどなく、立って荷重を掛けると痛みが出る。

神経滑走テストを行っても症状は変化しません。

本当に神経が原因なのでしょうか?

観察して見えてきたもの

この患者さんは長年の「受け腰姿勢」がありました。

・股関節伸展がほぼ失われている
・ハムストリングスの萎縮
・脛骨外旋
・膝は軽度屈曲位で完全伸展しない
・歩行時に脚が身体の後ろまで流れない

つまり身体の後面で支える能力が著しく低下していたのです。

私は以前から、

「老けたくなければ股関節伸展を失うな」

という持論を持っています。

股関節伸展を失うと、

臀筋が働かない

ハムストリングスが働かない

腰椎前弯が失われる

身体を後ろで支えられなくなる

という流れが起こります。

今回の患者さんはまさにその典型例でした。

ゴルフが最後の一撃になった

実はこの患者さん、一時期は改善傾向にありました。

しかしどうしても出なければならないゴルフコンペがあり、そこに向けた治療をしていたのです。

症状はだいぶ改善してはいましたが、まだ到底万全とは言える状態ではありませんでした。

しかしどうしても出場せずにはいかず、再び悪化しました。

ここに重要なヒントがあります。

右利きのゴルファーはインパクトからフォローにかけて左脚で荷重を受け止めます。

本来なら、

・左臀筋
・左ハムストリングス
・体幹後面

が協力してその力を受けます。

しかしこの患者さんはそのシステムが既に弱っていました。

例えるなら、

40kgしか持てない筋肉に100kgの仕事をさせたような状態です。

日常生活では何とか誤魔化せていたものが、ゴルフによって限界を超えてしまったのかもしれません。

神経が悪いのではなく「支える能力」が悪い

神経滑走を改善しても変化が出ない。

神経伸張テストでも変化が出ない。

それでも立つと痛い。

こうなると私は、

「神経そのもの」

ではなく、

「その神経が存在する環境」

を疑います。

長期間使われなかったハムストリングス。

股関節伸展を失った歩行。

身体後面による支持の喪失。

結果として、本来複数の筋肉で受けるべき負荷が特定の部位へ集中している可能性があります。

痛みは結果でしかない

多くの人は、

「坐骨神経痛だから神経を治そう」

と考えます。

しかし実際には、

痛みが出ている場所は結果でしかないことが少なくありません。

この患者さんの場合も、

本当の問題は左大腿ではなく、

何十年もかけて作られた支持戦略そのものにあるように見えます。

だから施術も、

神経だけを追いかけるのではなく、

・股関節伸展
・腰椎前弯
・胸椎の前方化
・肩甲骨の後傾と近位化

を少しずつ取り戻していく方向になります。

派手な施術ではありません。

しかし身体を支える仕組みが変わらない限り、同じ場所は何度でも悲鳴を上げます。

慢性痛とは、壊れた組織の問題ではなく、壊れた身体の使い方の問題なのかもしれません。

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